僕は、未だ空の青さを知らない

ネット空間の僻地で、生きている事の爪痕的な、僕の独善とした散文を綴る場所

立場が人を作る?

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僕の友人のB君の話。


 彼は、以前、とある市長の秘書をし(劣勢の選挙を戦い勝利に関わった人物)、その後、関わりを持ったある会社のメンバーを指導したりして、周囲の人たちに、それなりに一目置かれていた。

 

そして現在、その会社のポジションから離れて、個人事業者となり、定期的に、その会社の事業に外から関わり後輩たちをサポートしているんだけど。

 その彼が、最近良くボヤくのが、あいつら(その会社の後輩)、協調性なくて皆バラバラで、効率悪い仕事の仕方をしてる。俺が忠告しても言う事を聞かなくて、そのくせ、手伝っているときに、尻ぬぐいさせられる……と。

 


 傍から見ていると、その後輩達と彼の関係は、それなりに穏やかで親しく敬意も払われているように見えるが、内情は、そうなっていたようだ。

 


 ボヤくなら、そこから離れたらよいのにと僕は、思ったりするのだが。それは置いておく。今回の焦点は、彼の依存に対する事じゃない。

 


 そんな彼や、周囲の関係性を見ていると、何となくその原因は見える。

 


 しばらく前に、半沢直樹と言うドラマが流行った。

 


 出向した半沢直樹と、本社へ栄転した半沢直樹がどちらが優秀かと問えば、半沢直樹の現状を逐一知っている視聴者の皆は、どちらも優秀だと思うでしょう。感情移入で己の事の様に見えているはずですから。 

 


 じゃあ、出向した田中一郎と、本社へ栄転した田中一郎ならどうだろう?

 

 人間は権威に弱い。権威の大きさと共に、その人の能力が増大していると、感覚的に思うようになっている。そしてまた同時に、連続性を失った古い権威や立場は、少なからず輝きを失う。

 

 人間性能や人間性、過去の経歴において、B君は、後輩達からすれば大きな存在で、尊敬される人物だったかもしれない。

 


 だが……、今は単にサポートをする外部側の(下請け)個人業者。

 


 能力が損なわれてない事実が周知されていたとしても、その立場、フレーム自体が、徐々に影響を与える。

 

 以前の会社に戻り、もう一度、後輩達の上司に収まれば、B君の過去の威光が輝くようになるかもしれないが、彼はそうしないだろう。

 


 まあ、こんな事を書いている僕は、何の権威も持たない、ただのこどおじフレーム。つまり、ほとんどの場合、この文章はなんの説得力も持たないと言う事になる。なんてね。